暮坂峠をくだってきて沢渡にやってきた。ここでは蛇野と丸伊製材のあたりがみどころのひとつ。どちらも広い駐車場があるのでアクセスしやすいのがいい。

蛇野のエリアは2年前と比べても廃墟感がましたというか、自然に還ってきているというか、建物が緑に覆われてきていたり、足場ががたついていたり。

なにより建物の古さが増している。まあ、それだけ時間が経っているともいえるし、人が住んでいない家というのはこんなにも簡単に廃れていくのかともいえる。人が生きていくってそれだけで随分自然に対して抗っているところあるんだなとか思う。

蛇野地区
蛇野地区

沢渡で、蛇野の廃墟というか作品群。

ここは来るたびに新しい作品になっているのだが、来るたびになんだか不思議な感じがするというか「そうか、これは作品なのか」って考えてしまうようなものになっている。僕としてはまあ、面白いんだけれどそれ以上の感想はもてない。

一方の丸伊製材。こちらは毎回印象的な作品がつくられていて、しかもそれが違う人の作品なのに、なんだか2年ごとの作品たちによって世界観が引き継がれているような感じもしてしまう。(前回の感想はこれ

今回もっとも印象に残っているもののひとつは「美しき星の儚きものたち」という作品。

ふたつのインスタレーションから作られているのだけど、まったく違うものかと思ってみていた。きらきらとした雨粒のスナップショットのような風景、ちょっと淡い色のブルー、これ書いているのはビエンナーレ終わってから結構経っているのだけれど、「ああ、この作品好きなんだな」ってあとから実感するような作品。

嶋津晴美「美しき星の儚きものたち」
嶋津晴美「美しき星の儚きものたち」
嶋津晴美「美しき星の儚きものたち」
嶋津晴美「美しき星の儚きものたち」

もうひとつは、秘密基地から外の世界を覗いているような「光の独白」。

製材所の屋根裏みたいな小部屋にはいると小さな鏡のようなものがあちこちにつり下がっている。よくよくみると、それぞれには風景が映り込んでいるのだが、壁にあいた小さい穴から取り込んだ外の光を反射させて写している。

さっきまでみていた外の風景なのだけど、こんな風にみていると古い映画のようでもあるし、どこか別の世界を小さな窓からのぞいているような感じもする。車が通り過ぎる風景ですら面白い。光ってそれ自体は色をもっていないのに、照らすことによって色んなものの色を作っているのだな。面白い世界だ。

鈴木のぞみ「光の独白」
鈴木のぞみ「光の独白」
鈴木のぞみ「光の独白」
鈴木のぞみ「光の独白」

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