宮廷時代のマッサマンカレーを継承している名店「メー・チョイ・ドイルアン」。

友人にタイに行くという話しをしたとき、ひとしきり羨ましがられた後におすすめされたお店。友人のロジックでいうと、こういうことになる。

  • (A) マッサマンカレーは「世界一美味しい料理」に選ばれた料理である。
  • (B) この料理の原点はアユタヤ王朝でつくられた宮廷料理である。
  • (C) 「メー・チョイ・ドイルアン」は宮廷料理時代のレシピを受け継ぐレストランである。

つまり、A=B=CでありA=Cである。つまり「メー・チョイ・ドイルアン」は世界一美味しい料理を提供するレストランであるということである。

この真摯な提案をうけ、かつその友人も実際にいって感動した美味しさだというマッサマンカレー。それならばもはやこのヒマなバンコク滞在旅行で行かない理由はない。寺を巡って猫をめでている場合ではない(それはそれで楽しかったけれど)。

ということで、「メー・チョイ・ドイルアン(Mae Choice Doiluang)」へ向かってみることにした。

チャオプラヤエクスプレスをさかのぼっていく
チャオプラヤエクスプレスをさかのぼっていく

お店の場所はもはやバンコクではなく、もはや隣の県であるノンタブリーにある。こんなところどうやって行くんだよっていう場所にある。友人はタクシーで行ったらしい。すごい高くつくカレーになりそうだ。

しかし、Google Mapで検索してみたら、チャオプラヤエクスプレスの北の終点であるノンタブリから2キロくらい歩くと行けるというナビゲーションが表示された。川をさかのぼるのは意外な盲点だった。さっそく向かってみることにする。Thewetの船着き場から北方向の船に乗って40分くらいかかっただろうか。もはや乗客もまばらになるような頃、終点のノンタブリ(Nonthaburi)に到着する。

ノンタブリの船着き場は比較的賑わっていて、トゥクトゥクなどもたむろしているから、ここからお店までトゥクトゥクを利用するのもありだと思う。僕は歩いて行ったのだが、これはこれでおもしろかった。まさにバンコク郊外という感じ。

結構寂れているノンタブリ郊外
結構寂れているノンタブリ郊外

僕のなかでのノンタブリはバンコクから北に行った川沿いの郊外ということで、埼玉の川口みたいなところだなっていう印象。歩いていると、自動車のスクラップ工場とかの横を通り過ぎたりする。Googleもすごいところのナビゲーションするよな。ノンタブリから北に向かって歩いて行くと、右側にずうっと長い塀が続くところがあり、なんだろうと思ったら刑務所だった。見張り台に銃持った人がいるのはそのせいか。

全体的に殺伐とした風景なのは否めないところなので、夕方とかは歩かない方がよさそうだなと思う。僕は面白がっていたが、途中で野犬とすれ違ったときは面倒だなって思ってしまった。すごい場所だな。

そんなこんなでお店にたどり着いたのだが、全然老舗感がなく、入口にはSteak Restaurantとか書いてある。時間帯的にはランチタイムの少し前についたのだが、全然お客さんがいなくて、恐る恐るお店に入ったらちゃんと営業していた。なんか不思議な雰囲気のお店。

お店の外観、ちょっとこの店であっているのか自信なくした
お店の外観、ちょっとこの店であっているのか自信なくした
メニュー、英語もあやうい
メニュー、英語もあやうい
店内
店内
そして微妙なインテリア
そして微妙なインテリア

メニューはほぼタイ語なのだが、マッサマンカレーのところは英語のメニューになっていて安心。鶏肉200THB、牛肉250THBということで、牛肉の方をオーダーしてみたのだが「今日、牛肉切らせてるから鶏でいい?」っていわれる。ステーキのレストランなのに・・・でも、鶏でも充分美味しそう。

ビールを頼んだら、ものすごい冷えたジョッキに常温のビール瓶と氷を出された。ジョッキじゃなくて、瓶冷やせばいいのに・・って思うのだが、そういえばこの国ではビールに氷をいれるスタイルなんだよな。久々にオールドスタイルでのビールを楽しむ。

ビールは常温で氷をいれるのがこの国のスタイル
ビールは常温で氷をいれるのがこの国のスタイル

15分くらい待っていると、唐突にお店の奥が騒がしくなりマッサマンカレーが登場。あわせて軽くトーストされた食パンが出てきたのだが、やや動揺しているとご飯も出てきた。どうやら、このお店ではマッサマンカレーにはパンというのが標準らしい。

そして、出てきたカレー。見た目は普通すぎるくらいなのだが、食べてみたらもはや違う次元の食べ物だった。なんでこんな寂れた郊外のステーキレストランで、こんな美味しいカレーを出しているんだよって思ってしまう。なんていうかこの気分は、映画とかで普通のおじさんだと思っていた人がじつはカンフーの老師であったことが明らかになる!みたいな感じ。そして、僕が東京で食べてきたマッサマンカレー、あれは甘ったるい野菜カレーであることに気づいてしまった。

甘みのあるカレーなのだが、かなりスパイスが効いていて複雑で濃厚。なんだろう、クローブとかの豊かな香りを感じるが、きつすぎるってことはなく、あくまでも主役はカレーである。野菜は極限まで、ほろほろに煮込まれていて、ジャガイモもしっかり味がしみ込んでいる。かなり時間をかけて作っているような感じがする。いま思えばどうして一杯で満足しちゃったんだろう、あのしょうもないパンとか米を食べることなくカレーだけおかわりで頼めばよかったではないかって後悔するくらいだ。これは、このレストランまで食べに来る価値があるし(すっごい面倒だけど)、おすすめされた理由もわかる。

マッサマンカレー、見た目普通だが味は絶品
マッサマンカレー、見た目普通だが味は絶品
このトースト、微妙
このトースト、微妙

驚きなのは、店内の微妙なインテリアと、全然お客さんがいないことだな。帰りがけ、入れ違いでぴかぴかのベンツが乗り付けておばさんがお店に入っていったけれど、地元では高級店の部類なんだろうか。

日本でも地方にいくと、こういうところってあるよな。不思議な雰囲気の名店レストランだった。バンコクのグルメ、まだまだ奥が深い。

メー・チョイ・ドイルアン(Mae Choice Doiluang)
住所:Tambon Talat Kwan, Amphoe Mueang Nonthaburi Chang Wat Nonthaburi
時間:8:00-21:00
休み:月曜日

Feature


Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です