ちょうど市バスに乗っていたとき、車内のチラシで若沖展をやっていること知った。伊藤若沖は京都生まれの京都育ちだし、この街でみる若沖の作品もまた楽しそうだなと、とくに予定もなかったので行ってみることにする。結構行き当たりばったりの旅なのです。

京都市美術館について

京都市美術館は平安神宮のすぐそばにあり、バスでアクセスするのが便利なところ。昭和初期に作られたという建物は荘厳な感じすらある洋館なのだが、屋根などはお城みたいになっていたりする和洋折衷なつくりで、新しい物を取り入れつつ古きスタイルとあわせていく感じが若沖っぽいなと思ったりする。

「生誕300年 若冲の京都 KYOTOの若冲」について

18世紀の京都にいた伊藤若沖は青物問屋の家業を継いでいたものの、40歳そこそこでさっさと隠居して残りの40年くらいは旅にも出ず京都で絵を描いて過ごしていたらしい。ただ、京都の街は長崎から伝わる西洋文化に触れる機会があったみたいでそれが若沖の画風にも出ているような感じ。

伝統的な平坦な日本画だけじゃなくて、漫画みたいな斬新な構図や色彩は見ていて純粋に楽しい。今回の展覧会は個人所有のものもあったりして、ジョー・プライスのコレクションによって逆輸入的に人気がでた若冲だけど、それ以外の作品がみられる貴重な機会だったと思う。

若冲らしい作風で圧倒的な迫力があったのは「象と鯨図屏風」という屏風絵で、日本画なんだけどなんか不思議、西洋画でもなく漫画のようなインパクト勝負の作品が面白い。200-300年前の京都でこんな絵を描いていたら、さぞかし変わり者だったろうし、長いこと日本で注目されなかったのも分かる気がする。でも、200-300年経った京都でこれをみると、いまだに斬新さを感じてしまうのはすごい。

それ以外にも習作のような普通の日本画もたくさんあって、作風の変化をみていけるのは興味深い展示だった。ジャンルは違うけれど、作品数の多さや作風の変化が楽しいというのはピカソのようでもあるな。

なんとなく行き当たりばったりで訪れた展覧会だったけれど、それほど混雑もなくてゆっくりと作品を楽しむことができた。京都で若沖をみるというのは地産地消みたいな楽しみがあるな。

 

京都市美術館「若冲の京都 KYOTOの若冲展」
開催:2016年10月4日-12月4日

Related Post

慈照寺(銀閣寺)の紅葉をひさびさにみてきた... 南禅寺から北につづく哲学の道の最終地点である銀閣寺。北野天満宮からも市バスで数分のところにあるので、京都を西から東に横断してやってきた。 調べてみると銀閣寺、1490年と応仁の乱の後、室町時代の末期につくられていて、繁栄期に作られた金閣寺と比較するとたしかに地味な雰囲気。でも、その控えめながら...
ひさびさ、一澤信三郎帆布で買いもの... 手も肩もふたつしかないのに、ついついあれこれ欲しくなるのがバッグというもの。手の数も肩の数も、バッグへの欲望には関係ないのです。 今回もまたバスで近くまで来てしまったので立ち寄ることにした。前回の訪問から結構経つのだなあとブログを読み返しながら感じるのだが(前回の訪問:一澤帆布と㐂一澤帆布)、...
源光庵のふたつの窓「迷いの窓」「悟りの窓」をみてきた... 京都で紅葉となると寺院になることもあり、今回の旅では、ひさびさに寺院をめぐる旅をしている。ここ数年の京都旅では「寺院めぐりなんて修学旅行っぽい」とあまり見てまわらなかったのだが、ひさびさに来てみると新しい発見があったり、思いがけず美しい風景にめぐり会ったりと楽しめるものだなと改めて実感する。 ...
「PARIS オートクチュール展」をみてきた... 三菱一号館美術館で開催されていた「PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服」を観てきた。 このイベントを観に行く前に成実弘至の「20世紀ファッションの文化史」を読んでいたこともあり、予習に対してそれを実物をもってして確認するというような驚きというか楽しさがあった。 このイベントで...
絵本と木の実の美術館 – 夏に来るのがおすすめの美術館... 絵本作家である田島征三氏が廃校を舞台に監修した美術館。大地の芸術祭の作品のひとつとして作られたものだけど、雪深くなる冬期をのぞいて継続して開館している。大地の芸術祭のパスポートがない場合は、入場料700円が必要。 水を動力にして動くオブジェがおもしろい。これは海に流れ着いた流木や木の実などに絵...

Feature

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください