庄内エリアで商業の中心地は酒田で、鶴岡は政治の中心地として栄えてきた。かなり古い街で洋館があることは知っていたのだが、これが案外みていて楽しい旅だった。100年以上前の昭和初期に作られたものが多く、昔の文化などに思いをはせるいいきっかけになる。

洋館めぐりの中心はJR鶴岡駅から南に2キロくらい離れた鶴岡城址公園の周辺エリアとなっている。週末であれば公園の東側にある鶴岡市役所の駐車場に車をとめて散策するのが便利かと思う。見所は市役所から1キロ圏内におさまっている。

旧西田川郡役所

致道博物館、旧西田川郡役所

鶴岡城址公園の西側にある古い洋館とその博物館。鶴岡の歴史や文化を知ることができると同時にいくつかの古い洋館をみることができる。なかでも重要で鶴岡の洋館でもっとも有名なのは、旧西田川郡役所という建物。これは明治14年(1881年)に建てられたもので、江戸の空気が残っている時代に建てられた斬新な建築である。映画「コクリコ坂から」のモデルのひとつともいわれている。

もうひとつの見所である旧鶴岡警察署庁舎は修復工事中でみられなかったのだが、湯殿山のふもとにあった豪農の民家である田麦俣の多層民家など、特徴的な美しい建物がある。この建物は藤沢周平原作の映画「蝉しぐれ」のロケにも使われたとのこと。

田麦俣の多層民家
日本庭園もみどころ
鶴岡カトリック教会天主堂

鶴岡カトリック教会天主堂

今回の旅でもっとも印象に残った建物。1903年(明治36年)に建てられたロマネスク様式の教会なのだけど、木造なのですごく素朴な感じがある。キリスト教の禁教が廃止されたのが1873年(明治6年)なので、その後に建てられた教会ということであれば五島列島の教会と同じようないきさつなのかな。なかは畳がひいてあったりして、教会なのだけど集会場のようでもありそれがまた独特の雰囲気がある。

ここの見どころは建物以外にもあって、日本に唯一ある黒いマリア像と教会の窓ガラス。黒いマリア像は世界的にも貴重なものらしく、いわれてみれば全然見たことがない。そして窓ガラスは一見するとステンドグラスのようなのだが、これは絵が描かれた透明な紙を2枚のガラスではりつけている貼り絵というのが特徴的。まだステンドグラスがなかった時代だったらしい。

黒いマリア像は必見
透明な絵を二枚のガラスではさんだ貼り絵
畳敷きなのもまたいい感じ
よく手入れされている

ぼくはキリスト教ではないのだけど、海外の教会を訪れたときよりもこの教会にいるときの方がキリスト教の信仰にふれられた気がしてすごくよかった。いい建物だなって思う

大宝館

大正天皇即位を記念して1915年(大正4年)に建てられた。当初は一階が博物館と図書館。二階は集会場と食堂だったみたい。いまは鶴岡にゆかりのある人の資料館という感じで一般公開されている。外観の屋根のインパクトと「大宝館」と大きく書かれた看板のギャップがあってそれが独特の雰囲気がある。

たぶん、街中にはここ以外にも見どころがありそうな雰囲気のいい小さな街で、酒田だけでなく鶴岡も散歩してみたら楽しそうだなと思えるところだった。今回見られなかった旧鶴岡警察署庁舎の建物もふくめて、いつかまた再訪したい街だ。

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