今回のアンコール遺跡巡りのなかで、僕にとって新たな発見だったのはバンテイアイ・スレイに対する印象。

ずっと前に来たときは、バイクタクシーの後ろに乗って砂埃だらけの道やら、道中は盗賊が出るとかいわれてびくびくしながらなんとかやってきた。

それなのに、バンテイアイ・スレイはすごい小さな遺跡で拍子抜けしたし、東洋のモナリザとかいってもあまりにも小さなレリーフでここまでやってくる労力に対するインパクトが少ないとか思ったものだ。

規模としては小さな寺院遺跡
規模としては小さな寺院遺跡

今回、ひさびさにこの遺跡にやって来て、全然期待もせず入口のショップ(というかすごい整備されていた!)でビールとか飲んじゃったりしてたのだが、このラテライトと砂岩でできた赤い遺跡にすごい感動した。

寺院全体に精緻なレリーフが施されていて、石から掘り出したとは思えないほどだ。まるで細部まで細かく作られた宝石箱みたいな感じすら思える。

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寺院の南北にあるテヴァダー像も、すごい優雅できれいで、今回近寄れないことに落胆した。前はすごく近くで見られたのに・・。

なんだか、昔気楽に接していた女の子がアイドルになって遠い存在になったかのような寂しさを感じるくらいだ。あの子・・あんなきれいだったのか!と後悔する感じ。

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ここで思ったのは、若いときはバイヨンとかの分かりやすいインパクトを求めてしまって、きっと僕はバンテアイ・スレイのよさを分かっていなかったんだな。

しかし、人生を経過して改めてみると、この寺院のもつ慎ましいながらも力強い美しさに気づき感動したということなのだろう。

たとえば絵画や音楽、本を読むときもそうだけど、そのときの自分の背景や、人生経験によって感じ方が全然違うように、みるものや体験することについても、自分の背景が影響してくるのだろうなと、考えてみれば当たり前のことだけど、改めて感じた次第。

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こう考えると、旅行というのは同じ場所に何回か行くというのは自分の価値観の差異を感じたり、色んな確度からものをみるためにやってみるのが楽しいのだなと思った。

このバンテアイ・スレイってそういう深い遺跡なのだと思う。

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