東京のはずれにある立石はせんべろの聖地として有名な街になっている。かなりラディカルな感じで昔気質のお店が多いのだけど、思っているほど敷居が高いわけでもなく、一見さんでも楽しめるのが人気なんじゃないかと思っている。
そんななかでも、立石駅の駅前にある鳥房はかなりの有名店で開店前には行列ができるほどのお店。ローカルルールがあるお店だけど、下町ならではなアットホームな雰囲気ふくめて、立石めぐりの一軒目に訪れるには満足感が高いお店だなって思う。
鳥房へのアクセス、並び方
京成立石駅からすぐのところ。商店街に大きな看板が出ているのですぐにわかるかと思う。表通りは精肉店となっていて、お店は横道にはいったところに出入口がある。小さなベンチが置いてあり、開店前には平日でも30分ほど前から並びはじめる。
酔ったお客は入店不可ということと、料理が出てくるまで時間がかかるので二巡目以降は時間がよめないということもあり、多少並んでも開店と同時に入店した方がいいと思う。
鳥房について
- いくつかのローカルルールがあるのだが、これもまたおもしろい(と思える心構えが必要)。
- 酔った客は入店不可。これは結構厳格に運用されている。
- 相席当然。結構窮屈な感じ。
- お客は一人一皿「若鶏唐揚げ」をオーダーすること。
これらのルールはわりと合理的な理由があり、狭い店内で知らない人同士なのに、みんなで旅館の宴会みたいな状況で膝つけ合わす距離感で飲み食いするので、酔った客がいるとトラブルのもとになりそう。
そして、それほどメニューが多くないので若鶏唐揚げを食べないと、ほかにあまり食べるものがないということもある。なので、唐揚げを食べるために、しらふでお店にやってくる、というのがこのお店を訪問するためのスタイル。


それにしても、唐揚げっていうけれど、ここの唐揚げは鶏の半身がそのまま出てくるのでインパクトがある。値段は時価となっていて、お店のオーダーをとるときに大中小の値段をいうのだが、中くらいで充分満足できる量だな。なんなら小でもいいかもしれない。それでいて600-800円くらいなので、立石のなかでは高価格帯なものの普通に考えると激安だ。
お酒はビール、日本酒、よくわからないワインっぽいものくらい。レモンサワーとか頼もうとすると「うちは居酒屋じゃないんだから、ないよ」って店員さんに説教されます。日本酒とワインっぽいものは案外酔っ払いそうな感じなので、ここは大人しくビール一択くらいが無難なところだな。
店員さんは都内屈指のツンデレな接客で、はやく頼みなよ!とかいうわりには若鶏の食べ方に苦戦していると「ほら、よく見てな」ってことで解体を手伝ってくれたりする。結構いい人達なのです。そして、知らない物同士のお客さんがみんな一緒に同じように唐揚げを食べているのは不思議な光景。大家族の食卓みたいだ。みんないい大人ばかりだけど。


オーダーは若鶏唐揚げは必須で、唐揚げが出てくるまで時間がかかるので、ぽん酢刺しをあわせて注文するのがおすすめです。鳥刺しに葱とぽん酢がたっぷりとかかって出てくるので、これがまたお酒にあう味なんだよな。頼まない理由はない。そしてお通しには鶏皮の生姜煮が出てくるので、まずはこういうのをつまみながら、ビールをちびちびやりながら待つ。
若鶏唐揚げはどーんと出てくる。紙が一緒に出てくるので、これで半身の鳥を六カ所に分離するのだが、どうやってやるのだろうかとオタオタしていたら見かねたお店のお姉さんがあっという間に分解してくれた。まわりの人たちは見よう見まねでやっていたが、これが結構難しい。しかし、部位毎にわけて食べると軟骨とかもしっかり味わえてこれが美味しい。
こんな下町ならではの雰囲気と、鳥の美味しさがあっての人気店だよなあって思う。一軒目で結構なボリュームを食べることになるけれど、タイミングがあえば是非とも行ってみてもらいたいお店だ。
鳥房
住所:東京都葛飾区立石7丁目1−3
時間:16:00-売り切れ次第
休み:火曜日